母の電話。

母の携帯がつながらない。
病院に入ってるのだから、何も心配はないはずなんだけど、
会社から何度かけてもつながらないと、とっても不安。

仕事が遅くなって、病院の門が開いている時間が過ぎてしまう。
夜になっても携帯がつながらないので、
ついに看護師詰め所に電話してみる。

すると、親切にも、看護師さんが、病室に見に行ってくれて、
母の携帯から折り返してくれた。
母の携帯は電源が落ちていたようだ。

その後、門限を過ぎてはいたが、9時過ぎ、病院に行ってみる。
母は眠っていた。
Y看護師さんが、ちょっとお話しましょう、と言うので、
個室に入って、十分ほど話す。
今朝、A医師からいただいた電話内容を受けて、
家族としての心構えをやんわりと問うような話であった。
家に帰れないかもしれない。
痛みを緩和し続けるには、もう、病院でしか無理かもしれない。
1ヶ月も持たないかもしれない。
これからは、1週間ごとに様子を見て行かねばならない。
そんな結論だった。

今日の昼間、母は、姪(従姉妹)のH子さんに、
「先生からの、胸水を抜く提案を断った。
もう、延命処置はしてもらわない。
痛みを緩和してもらって、
このまま静かに眠りながら逝きたい。
もう、覚悟は決めている。」
そう言ったという。
泣きながら、そんなことを言うなとH子は言ったそうだが、
逆に、私の心はもう決まってる、
あんたこそ、しっかりしろと怒られたそうだ。

去年の夏過ぎに余命宣告は12〜13ヶ月だった。
その期日までには、まだ5ヶ月も残ってるはず。
なのに、この数週間で急激に衰えてきた母。
体の痛みの強さもさることながら、
それに伴う精神の衰え。
早く逝きたいという願い。

痛みから早く解放させてあげたい。
でも、最後まで痛みと闘って、少しでも長くいて欲しい。
そんな相反する気持ちが、私の中で交錯する。

もう、本当にダメなの?