兆し。

朝の訪問看護で、
眠り続けている母の身体を調べながら、
血圧が下がって来ていること、
背中の皮膚状態が変化しかけていること、
痰が増えて来ていること、
その辺りの状態をさして、
H看護師が帰り際に”兆し”が出て来ているようです、
そう言った。

夕方になって、再度訪問看護に来てくれて、
このときには、尿意がなく、下腹も張ってない、
その代わりに横腹部にむくみが出来ている、
肌の色も変わりかけている、
血中酸素が75くらいになっている、
そんなことから、やがて次に起きることは、
下顎呼吸だと告げた。
この呼吸が始まったら、
もう、時間単位で様子を見ることになるそう。

つまり、そういうことを聞かされる段階に来てしまったということ。

今朝の段階でも、私はまだもう少し先だと予感していたのに、
また、夕刻の感じでも、痰を減らすお薬も預かっているのに、
この話し振りでは、今夜でも、明日にでも
その時が来るかもしれないくらいの感じ。

これからは、貴重な時間なので、話しかけてあげて下さい、
そう言われて、私は既に涙ぼろぼろになってしまいました。

H看護師が帰られたあと、ベッドについて、
手を握って話しかけようとするのだけれども、
涙がこぼれてしまって、言葉になりません。
下顎呼吸状態になったら、お兄さんに電話して、
声だけでも聞かせてあげてくださいと言われたので、
とりあえず、その予告のメールだけをしておいた。
これがまた、「その時が来たら」という言葉が足りなかったのか、
兄は早とちりをしたようで…
今がその時なら、悠長にメールなんてしませんって。
夜中であっても、即電話をするから、ね。