マイルド・セデーション。

昨日、病院を出てから、大変な事になるかと思いきや、
一晩中、静かに眠り続けるばかりで、
痛みも、苦しみもやってこなかった。
朝、九時を過ぎても起きないので、心配になるほどぐっすり。
皮下注射の痛み止めが、上手く効いているよう。

正午前に、在宅ケアのF看護師がやってきて、
パッチ薬の張り替えや、皮下注射の機械の中に入っている薬の追加など、処置をしていただけた。
この時の大きなイベントは、トイレ。
よく考えると、昨日、病院にいる時からずーっと、
尿を出していなかった。
本人に聞くと、したいというし、
看護師が腹部を調べたら、満杯になってそうだということで、
トイレへ。トイレまで歩かせるのは、ちょっと無理という判断で、
既に準備していたポータブルの出番に。
はじめての使用だが、看護師のヘルプで、上手くできた。

家に帰ってから、ずーっと平穏無事だけど、
この状態は、実は既にセデーション状態と言えるらしい。
セデーションとは、痛みを緩和するために、
医療用麻薬や麻酔薬によって意識レベルをぐっと下げ、
眠った状態にし続ける事。
痛みは感じなくなるが、同時に、本人の意識も曖昧になる。
最末期には、このセデーションによって、
眠ったままにさせるという。
今は、眠ったままではなく、時々起きては話もできるんですが、
全体的にボォーッとしている。
これを、ライト・セデーションまたは、マイルド・セデーションって言うそうです。

私は、まだ、母はしばらくすると、起き出して、
こたつに座ったり、編み物でもはじめるのではないか?
そんな風に思っていただけに、
もう、このままベッドから起き上がる事もなく、
次第にセデーションの度合いが強められて行き、
意識もどんどん薄らいでいく・・・
改めてそう認識させられて、また悲しくなってしまいました。