痛みを取るか、朦朧を取るか。

朝6時半に目覚めると、
母は既にベッドの中で目覚めていました。
どぅお?って訪ねると、
まぁまぁ。
いつも通りの答え。
しばらく取り留めなく話をかわして、
顔を石けんで洗い、歯磨きを自分でして、
トイレは…しませんでした。
「Yちゃんは?」
と聞くので、
「寝てる」
と答えると、何故だか、微笑みが。
母の笑顔は数日ぶり。
私は、なんだかとってもうれしかった。

それからも、ひとしきり起きていましたが、
胸が苦しいと。

私は、せっかく今日は朝から覚醒しているのに、
薬を入れると、またぼんやりしてしまう!そう思い、
「ちょっと我慢してみる?」と聞きました。
「そうやなぁ、ぼんやりするからねぇ…」
母も同じ事を考えたようで、ちょっとお薬を入れるのを待ちました。
…が、5分もたたないうちに、やっぱり痛いと。
で、手順通りに皮下注射の分量を早送りし、
しばらく効き目を待ちましたが、やはり痛いと。
そこで、医師の指示通りに、順次お薬を入れていきました。

痛みを我慢させて、覚醒させておくのか、
薬を入れて痛みを和らげ、そのかわり朦朧とさせておくのか。

私にしてみれば、ちゃんと人格のしっかりした母であって欲しい。
だから、薬を入れるのを少しでも少なくしたい。

でも、母は、薬をほしがるし、
午後には、楽になりたいと、睡眠剤を欲しがった。

起きている事よりも、痛みの無い方を、母は選んだ。
それより、仕方がないんだね、やっぱり。